事例紹介

食トレアプリのWatson技術支援サービス

食トレアプリのWatson技術支援サービス オンキヨースポーツ株式会社様
- 導入ソリューション:Watson技術支援サービス

お客様の概要

入場チケット発券システム開発を実施したサンリオエンターテイメント

データ

オンキヨースポーツ株式会社は、食トレアプリ「food coach」の制作、販売、および関連するイベントに関する企画、制作、運営を行う企業です。
food coach は、IBMのAI「Watson」を使ったビジネスモデルコンテスト「IBM Watson Build Challenge2017」において、日本部門での優勝をいただき日本チャンピオンとなりました。

food coachの本稼働は、2018年7月25日から始まった「スポルティック2018でお披露目」という形で始まりました。
food coachは、利用者がとった食事、利用者の競技特性、運動量、体調、睡眠、便通の有無、怪我があったかどうか等から、総合的に判断して毎日Watson(IBMのAI)からアドバイスが返ってくるというサービスです。
ティアックオンキヨーソリューションズ(以下TOS)では、Watsonに関する技術支援サービスを提供しています。
本稼働準備段階から本稼働している今に至るまで、さまざまな課題に対してサポートしています。
今回は、オンキヨースポーツ株式会社 取締役で、至学館大学 健康科学研究所 客員研究員 スポーツ栄養サポートチーム シニアアドバイザーの坂野道郎氏にお話を伺いました。

オンキヨースポーツ株式会社
オンキヨースポーツ株式会社 取締役 / 至学館大学 健康科学研究所 客員研究員 スポーツ栄養サポートチーム シニアアドバイザーの坂野道郎氏

本稼働に向けて

TOS:「本稼働前はどのような課題があったのでしょうか?」
坂野氏:「課題は、Watsonそのものです。利用者の食事等の情報を毎日Watsonに個別に投げますと、それに対してWatsonから返答が返ってくるのですが、いかに適切な返し方をするかというところが全くわからなかったです。その設定といいますか、どういう質問を投げればいいかから始まって、そこが全然わからなかったですね。」
そんな時、TOSに相談しました。
「TOSがIBMのWatsonの担当者とやりとりをしていく中で、非常に適切なアドバイスをいただきました。具体的にこういうデータをこういう形で料理すれば毎日アプリからそれを取りに行くとか、そういう具体的な話を頂けました。」と坂野氏の評価も上々です。

TOS:「準備に充てた期間はどれくらいですか?」
坂野氏:「foodcoach自体は3年くらい、Watsonの準備は去年の10月からですから1年近くくらいかかってますね。」

ただ、その10月にやり始めた頃は、いま使っているWatsonのAPIであるDiscoveryはまだ日本語化されていませんでした。そこで、ちがうAPIを使っていたそうですが、やっぱりそれではうまく行かなかったそうです。いま使っているDiscoveryを使うことによって、うまくできるようになったということです。

Discovery

Watsonのメンテナンス

TOS:「Watsonを使うにあたっては、いわゆる知見のデータの登録が必要かと思いますが、その準備とかはどうされましたか?」
坂野氏:「スポーツ栄養に関する知見に関しては、至学館大学のスポーツ栄養サポートチーム、通称SNSTのメンバーに作成していただいて、それをどんどん登録していきました。データの登録は私一人で行いましたが、知見の部分はSNSTのメンバー数人で対応いただきました。」

TOS:「登録して本稼働を始めた後というのは、登録する必要はないのでしょうか?」
坂野氏:「いえ。まず、登録した後にそのアドバイスが的確かどうかというチェック、そのエビデンスがすでにもう古いもので違うやり方があるとか、もしくは最新のエビデンス等それらを日々チェックして、新しいものを日々登録していくというメンテナンスが、実はすごく大変だったりします。」
TOS:「メンテナンスは今も行っているのでしょうか?」
坂野氏:「毎日チェックします。これはとても大変ですね。」

スマホ画面

今後の課題

TOS:「今は、TOSからどんなサポートを受けていますか?」
坂野氏:「基本的には技術サポートですので、わからないことを何でも聞いてるという状態ですね。例えば、試合の日付をカレンダーに登録した人に対して、その3日前から試合へのアドバイスだけを投げられないかとか、そういったいろんなご相談をして、順次解決をして頂いています。」

TOS:「利用者はどのくらいになりましたか?」
坂野氏:「今はまだ本当に少なくて、本稼働といいますか、どちらかというとテスト運用を皆さんにして頂いているところで、300名くらいです。」

決して至学館の人ばかりでなく、一般のチーム、企業、団体とさまざまなところで利用されています。
オリンピックのメダリスト、オリンピック出場選手、日本代表選手も利用していらっしゃるそうです。

TOS:「今後の課題はどうですか?」
坂野氏:「今後の課題は、同じアドバイスが2回行ったりとか、予測がつかない部分があり、例えばこの質問が来たらこれを返すということをやってる訳じゃないので、アドバイスの予測がつかないところと思っています。ただこれは、機械学習をしていくことによって、その人への適切なアドバイスができていくんだろうと考えています。」

当初、250くらいドキュメントを登録したそうですが、いろんな精査をして今は140にまで減らしており、これからもっと増やしていかなくてはいけないといいます。
Watsonは日々手をかけることによって、進化していくものだということです。

今後も弊社では、Watsonに関して、日々発生する疑問や課題に対して、誠意をもってオンキヨースポーツ様へのご支援を行っていきたいと考えています。
今後とも宜しくお願い致します。